○直島町男女共同参画推進条例

平成15年3月17日

条例第2号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本的施策(第7条―第14条)

第3章 具体的施策等(第15条―第18条)

第4章 苦情処理(第19条―第20条)

第5章 男女共同参画会議(第21条―第22条)

第6章 補則(第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、町、事業者及び町民の責務を明らかにし、並びに男女共同参画の推進に関する施策について必要な事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、並びに不合理な男女間の格差をなくすることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 人権尊重の理念を社会に根づかせ真の男女平等の達成を目指す概念であり、とりわけ、男女があらゆる分野の政策・方針決定の場に平等に参画することを重視することをいう。

(2) 積極的格差是正措置 社会のある分野で不合理な男女間の格差がある場合にその格差を是正するため必要な範囲内で男女のいずれか一方に対し、目標値を設定したり、採用割合を増やしたり、その他これらに類するものを積極的に行うことをいう。

(3) セクシュアル・ハラスメント 性差別の具体的な現われとして職場や学校で起きる性的いやがらせをいう。

(4) ジェンダー 生物学的な人間の性別であるセックスと区別した社会的・文化的に形成された性別をいう。

(5) 事業者 町を除く町内において公的機関、民間を問わず、また営利、非営利を問わず事業活動を行っている会社及び団体(権利能力のない社団を含む。以下同じ。)をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の形成に当たっては、次に掲げる事項を基本理念とする。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、性別による差別的取扱をしてはならないこと、個々の人がその個性と能力によって評価されなければならないことを旨とする。

(2) 社会の制度又は慣行により性別による固定的役割分担を形成してきたが、そのような男女共同参画の形成に阻害するものは速やかに排除するよう努めなければならない。

(3) 町及び事業者の政策又は計画の立案及び決定において共同参画する機会が確保されるよう努めなければならない。

(4) 「男は仕事」「女は家」という意識を変え、家族の相互協力と社会の支援の下、家事・育児・介護といった家庭生活における活動と、職場、学校、地域その他社会における活動とが両立できる社会に変えていくよう努めなければならない。

(5) 男女共同参画の推進は、生涯にわたる性と生殖に関する健康と権利が尊重されることを旨として、行われなければならない。

(6) 男女共同参画の推進は、国際的協調及び連携の下に男女共同参画を推進していかなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、男女共同参画の推進を主要な政策として位置付け、前条に定める基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的格差是正措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施するものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、男女が共同して参画することができる体制の整備に積極的に取り組むとともに、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するように努めなければならない。

(町民の責務)

第6条 町民は、基本理念にのっとり、家庭及び職場、学校、地域その他社会のあらゆる分野において、積極的に男女共同参画を推進するとともに、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するように努めなければならない。

第2章 基本的施策

(基本計画)

第7条 町長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、基本計画を策定するに当たっては、町民及び第21条で規定する男女共同参画会議の意見を聴取するものとする。

4 町長は、基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。

5 第2項の規定は、基本計画の改正について準用するものとする。

(推進体制)

第8条 町は、第4条に規定する男女共同参画の推進に関する施策を総合的に企画し、調整し、及び推進するために必要な体制を整備する。

(積極的格差是正措置)

第9条 町は、あらゆる分野における活動において、男女間に参画する機会の格差が生じている場合、事業者及び町民と協力し、積極的格差是正措置を講ずるものとする。

(法制上財政上の措置)

第10条 町は、男女共同参画に関する施策を推進するため、必要な法制上及び財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

(年次報告)

第11条 町長は、毎年、男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を明らかにする報告書を作成し、及び公表するものとする。

(調査研究)

第12条 町は、男女共同参画の推進に関する施策に必要な事項及び男女共同参画の推進を阻害する問題についての調査研究を行うものとする。

(町民等との連携)

第13条 町は、男女共同参画の推進に当たり、町民、事業者、県及び国と連携して取り組むものとする。

(町民等への支援措置)

第14条 町は、町民や事業者が実施する男女共同参画の推進に関する活動のために情報の提供、財政の支援その他の必要な措置を講ずるものとする。

第3章 具体的施策等

(性別による権利侵害の禁止)

第15条 何人も、家庭及び職場、学校、地域その他社会のあらゆる分野において、女性に対する暴力を行ってはならない。

2 何人も、家庭及び職場、学校、地域その他社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担及び女性に対する暴力等を助長し、及び連想させる表現並びに過度の性的表現を行わないように努めなければならない。

4 町長は、前3項の規定に違反する行為があったと認めるときは、当該した者に対し、差別的取扱いの是正その他の措置を講ずるように指導し、又は勧告することができる。

(町の具体的施策)

第16条 町は、次に掲げる施策を行う。

(1) 町職員の仕事に対する意欲、能力及び個性を合理的かつ適切に評価し、また募集、採用、配置、昇任及び賃金で必要とする場合、男女間の不合理な差別を是正するものとする。

(2) 町の政策の立案及び決定に男女が共同して参画する機会を確保するよう積極的格差是正措置を講ずるものとする。

(3) 町の附属機関その他の委員の男女の構成に対し、積極的格差是正措置を行い、できる限り男女の比率を適正に近づけていくものとする。

(4) 事業者に対し、雇用分野における男女の参画状況について報告及び調査を求めることができる。この場合において、町長は、事業者に助言及び勧告を行うことができる。

(5) 前号の場合に、男女共同参画を積極的に行っている事業者に対し、表彰を行うものとする。

(6) 家庭に対し、男女がともに、家事・育児・介護といった家庭生活における活動と職場、学校、地域その他社会における活動とが両立することができるように、その支援を行うものとする。

(7) 学校教育、社会教育、家庭教育その他教育の分野で男女共同参画の推進のための措置を行うものとする。

(8) 男女共同参画の推進のために広報紙等を活用する。この場合に、町民及び事業者の理解を深めるための措置を行うものとする。

(9) 男女共同参画の推進のために情報活用能力の向上とその基盤を整備するものとする。

(10) 女性に対する暴力の防止に努め、及びこれらの被害を受けた者に対し、必要に応じた支援を行うものとする。

(11) セクシュアル・ハラスメントの防止に努め、及びこれらの被害を受けた者に対し、必要に応じた支援を行うものとする。

(12) 生涯にわたる性と生殖に関する健康と権利が尊重されるための支援を行うものとする。

(事業者の具体的推進行為)

第17条 事業者は、従業員の仕事に対する意欲、能力及び個性を合理的かつ適切に評価するよう、また募集、採用、配置、昇任及び賃金で男女間の不合理な差別を是正するよう努めなければならない。

2 事業者は、町からの調査及び報告の依頼については誠実に協力しなければならない。

(町民の具体的推進行為)

第18条 町民は、家庭内で、男女がともに、家事・育児・介護といった家庭生活における活動と職場、学校、地域その他社会における活動とが両立することができるように、お互いに話合いや意識の変革の重要性を確認して男女共同参画社会を築いていかなければならない。

2 町民は、町からの調査及び報告の依頼については誠実に協力しなければならない。

第4章 苦情処理

(苦情処理等機関)

第19条 町長は、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情及び男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合の事案について、町民及び事業者(以下「町民等」という。)からの申出を適切かつ迅速に処理するための苦情処理等機関を設置するものとする。

2 町民等は、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策若しくは男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情がある場合、又は男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合には、前項の機関及び次条の男女共同参画推進員に申し出ることができる。

3 町長は、申出が正当な理由があって必要な場合は、他の執行機関及び補助機関に対し、意見、勧告及び是正措置を行うことができる。

4 申出の者に文書で回答するものとする。

(男女共同参画推進員)

第20条 町長は、男女共同参画の推進のために男女共同参画推進員(以下「推進員」という。)を置く。

2 推進員は、次の事務を行う。

(1) 前条第2項の苦情処理等を聴き、申出の者に対して相談を受けること。

(2) 必要がある場合、前条第1項の機関に報告すること。

(3) 男女共同参画の推進に関する啓発活動を行い、また町長に対し意見を述べること。

(4) 必要に応じ、調査を行うこと。

3 町長は、推進員の要求に応じて資料その他の情報を提供するものとする。

4 推進員は、男女共同参画の推進に熱意のある町民の中から、町長が、3名以内で委嘱する。

第5章 男女共同参画会議

(男女共同参画会議)

第21条 男女共同参画の推進のために、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。

2 会議は、次の事務を行う。

(1) 町長に対し、基本計画の策定その他男女共同参画の推進に係る重要事項について意見を述べること。

(2) 町長の諮問に対し、答申を行うこと。

(3) 必要に応じ、調査を行うこと。

3 町長は、会議の要求に応じて資料その他の情報を提供するものとする。

(委員)

第22条 会議は、10人以内の委員によって組織する。

2 委員は、次に掲げる者の中から、町長が委嘱する。

(1) 事業者及び各種機関を代表する者

(2) 推進員

(3) 学識経験を有する者

(4) その他町長が認める者

3 委員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。

4 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員の構成は、一方の性に偏ることのないように配慮しなければならない。

第6章 補則

(補則)

第23条 この条例の施行に関して必要な事項は、町長が規則で定める。

この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(平成27年3月31日条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

直島町男女共同参画推進条例

平成15年3月17日 条例第2号

(平成27年3月31日施行)